天国
「さくらチャン、あかんかってん」
先日、帰って来た私に嫁が言った。
「そ~か、何時やったん」
「今朝起きたら」
「ほ~か」
「おとなしいに寝てるわ。って思ってたんよ」
「ふ~ん」
「じ~っと見てたんやけど、動かんねん」
「そ~か」
「で、触ってみたら死んでてん」
「しゃぁないなぁ、それでもぅ埋めたったんか?」
「まだ。お父ちゃんも見てへんやんか」
「そやなぁ、改めて拝ませてもらおか」
愛用の毛布をどけた。
「えっ、さくら死んでるん?これで」
「そやろ~」
「えぇぇ~!ほんまにぃ~。しかし、きれいな顔やなぁ」
本当に眠っているかのような、きれいな顔のさくらが横たわっていた。
お店で売れ残ったとかで、バーゲン状態だったさくらが我が家に来て何年なるのだろうか。
大人しくて、本当に手間のかからない子だった。
それでいて、番犬としてよく働いてくれた。
そんなさくらも、加齢には勝てず。
近頃は、体力低下と痴呆が進み。
ほぼ寝たきり状態と、昼夜逆転現象がきつくなり。
夜中の鳴き声で近所にも迷惑をかけたと思う。
家族が交代で世話をしてきた。
ここ数日は、ほとんど食べなくなり。
かろうじて、水だけを飲む状態になっていた。
しかし、こんなきれいな顔で逝けるなんて。
きっと、『いいとこ』に行けたと思う。
先日、帰って来た私に嫁が言った。
「そ~か、何時やったん」
「今朝起きたら」
「ほ~か」
「おとなしいに寝てるわ。って思ってたんよ」
「ふ~ん」
「じ~っと見てたんやけど、動かんねん」
「そ~か」
「で、触ってみたら死んでてん」
「しゃぁないなぁ、それでもぅ埋めたったんか?」
「まだ。お父ちゃんも見てへんやんか」
「そやなぁ、改めて拝ませてもらおか」
愛用の毛布をどけた。
「えっ、さくら死んでるん?これで」
「そやろ~」
「えぇぇ~!ほんまにぃ~。しかし、きれいな顔やなぁ」
本当に眠っているかのような、きれいな顔のさくらが横たわっていた。
お店で売れ残ったとかで、バーゲン状態だったさくらが我が家に来て何年なるのだろうか。
大人しくて、本当に手間のかからない子だった。
それでいて、番犬としてよく働いてくれた。
そんなさくらも、加齢には勝てず。
近頃は、体力低下と痴呆が進み。
ほぼ寝たきり状態と、昼夜逆転現象がきつくなり。
夜中の鳴き声で近所にも迷惑をかけたと思う。
家族が交代で世話をしてきた。
ここ数日は、ほとんど食べなくなり。
かろうじて、水だけを飲む状態になっていた。
しかし、こんなきれいな顔で逝けるなんて。
きっと、『いいとこ』に行けたと思う。